認知心理学者が教える最適の学習法
効果的な学習方法を知りたい。具体的には以下を知りたいと考えて読んだ。
- 新しい技術を学ぶ時
- 知っている技術の理解度をより高めるためには
教育者向け?に書かれているっぽいこともあり、総じて、根拠に基づいた真っ当な学習方法が例示されているのがよかった。
memo
以下、本書からの抜粋と感想
何度も読む学習法と、思い出す学習法
- ただ読み返す学習では効果は上がらない
- 読み慣れたことを、覚えた・理解したと錯覚してしまう
- 学習したことを思い出す勉強法の方が効果が高い
- 思い出す・アウトプットする方が学習効率が良いってことかな
- 問題集を解くベースで教科書を読む学習法の方が良いのに似ている
- 思い出す・アウトプットする方が学習効率が良いってことかな
最適な学習法を常に疑うことが大切
- 科学の目的は「証明」ではなく、「反証」
- 反証があるから、新しい手法が見つかる。発展する。
効果的な学習のやりかた
学習計画に関するもの
分散学習
- 学習時間を分散させる
- 一夜漬けではなく日々の積み重ね
- 2日連続で読むのではなく、1週間あけて2回目を読んだ方が効果的だった
インターリープ(交互配置)
- 学習するトピックを切り替える
- 複数のトピック間の関連性も確認する
- 対比する
- 異なるトピックを学ぶことで、共通する抽象・概念的な法則を理解できるように
学習方法に関するもの
検索学習
- 学習した内容を思い出す(自分の記憶から検索する)
- 知っていることを書き出す
- ただし、あまりまだ理解していない場合はあまり効果はない
- 足場を頼りに思い出す
- 演習問題を解くなど
- 記憶を頼りに図を書く
- 覚えていることを人に説明する
- 知っていることを書き出す
精緻化
- なぜ機能するのか?どのように機能するのか?などを説明する
- 既に持っている知識に新しい情報を加えて理解することになる
- 〜〜〜をするためであるという新たな発見や、曖昧な理解の解消がある。
- 他の人からの問いかけでも、自分自身での問いかけでも効果的
- 人に教えるつもりで勉強するのも効果的
- 既に持っている知識に新しい情報を加えて理解することになる
具体化
- 抽象的な概念を、具体的な事象を例に説明する
- 具体例は一つでなく、複数例にすることが望ましい
- また逆に、具体的な複数の事象を、抽象的な概念に昇華して理解することも効果的
二重符号化(デュアルコーディング)
- 言葉と図を組み合わせる
- 視覚も使って理解する
- ただし、意味のない図(文章と関連しない図)がある場合、逆に認知的な負担となるので注意。
感想
堅い本ではないので読みやすいが、学術的な信念がある本という感じ。いわゆる「ちゃんとした本」。各章の最後には参考論文が載っている。 自分が普段から取り入れている学習方法も多く、大きな方向性が間違っていないことが確認できてよかった。