「認知心理学者が教える最適の学習法」を読んだ

February 05, 2023

認知心理学者が教える最適の学習法

https://www.amazon.co.jp/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%81%8C%E6%95%99%E3%81%88%E3%82%8B%E6%9C%80%E9%81%A9%E3%81%AE%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%B3%95-%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%83%A4%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3-ebook/product-reviews/B0BD8W3H1T/ref=cm_cr_dp_d_show_all_btm?ie=UTF8&reviewerType=all_reviews

効果的な学習方法を知りたい。具体的には以下を知りたいと考えて読んだ。

  • 新しい技術を学ぶ時
  • 知っている技術の理解度をより高めるためには

教育者向け?に書かれているっぽいこともあり、総じて、根拠に基づいた真っ当な学習方法が例示されているのがよかった。

memo

以下、本書からの抜粋と感想

何度も読む学習法と、思い出す学習法

  • ただ読み返す学習では効果は上がらない
    • 読み慣れたことを、覚えた・理解したと錯覚してしまう
  • 学習したことを思い出す勉強法の方が効果が高い
    • 思い出す・アウトプットする方が学習効率が良いってことかな
      • 問題集を解くベースで教科書を読む学習法の方が良いのに似ている

最適な学習法を常に疑うことが大切

  • 科学の目的は「証明」ではなく、「反証」
    • 反証があるから、新しい手法が見つかる。発展する。

効果的な学習のやりかた

学習計画に関するもの

分散学習
  • 学習時間を分散させる
    • 一夜漬けではなく日々の積み重ね
    • 2日連続で読むのではなく、1週間あけて2回目を読んだ方が効果的だった
インターリープ(交互配置)
  • 学習するトピックを切り替える
    • 複数のトピック間の関連性も確認する
    • 対比する
    • 異なるトピックを学ぶことで、共通する抽象・概念的な法則を理解できるように

学習方法に関するもの

検索学習
  • 学習した内容を思い出す(自分の記憶から検索する)
    • 知っていることを書き出す
      • ただし、あまりまだ理解していない場合はあまり効果はない
    • 足場を頼りに思い出す
      • 演習問題を解くなど
    • 記憶を頼りに図を書く
    • 覚えていることを人に説明する
精緻化
  • なぜ機能するのか?どのように機能するのか?などを説明する
    • 既に持っている知識に新しい情報を加えて理解することになる
      • 〜〜〜をするためであるという新たな発見や、曖昧な理解の解消がある。
    • 他の人からの問いかけでも、自分自身での問いかけでも効果的
    • 人に教えるつもりで勉強するのも効果的
具体化
  • 抽象的な概念を、具体的な事象を例に説明する
    • 具体例は一つでなく、複数例にすることが望ましい
    • また逆に、具体的な複数の事象を、抽象的な概念に昇華して理解することも効果的

二重符号化(デュアルコーディング)

  • 言葉と図を組み合わせる
    • 視覚も使って理解する
    • ただし、意味のない図(文章と関連しない図)がある場合、逆に認知的な負担となるので注意。

感想

堅い本ではないので読みやすいが、学術的な信念がある本という感じ。いわゆる「ちゃんとした本」。各章の最後には参考論文が載っている。 自分が普段から取り入れている学習方法も多く、大きな方向性が間違っていないことが確認できてよかった。


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Written by kuropenguin Backend engineer who lives and works in Tokyo. About meTwitterGitHub